11月は胆汁についてお話しします。
皆さん胆汁がどんな物質かご存じですか?胆汁は、赤血球が分解されて生じるビリルビンやコレステロールを材料に肝臓でつくられ、胆のうで濃縮されて貯蔵されます。
主な働きは脂質やたんぱく質の消化、便の滑らかさを上げることです。
〇今、日本人は胆汁不足が続出!?
もともと穀物がメインだった食文化の日本人にとって胆汁は遺伝的にたくさん分泌されなくても問題ありませんでした。しかし近年食の欧米化が進み、胆汁の消耗が激しく需要と供給が追い付かない人が増えています。仕事や学業で忙しく食事を作る暇がなく、コンビニの総菜、菓子パン、ファーストフードなどが増えカロリーが高いそれらの消化のために胆汁が不可欠になってきています。
〇胆汁不足が起こるとどんな症状が出るの?
便秘、左腹が痛む、げっぷが多い、放屁が多い、ふけが多くなる、脂漏性湿疹が増える(黄色っぽい膿)、血液検査ではγ-GTPが上昇するなどです。
「ハイカラ」という言葉が流行り、ハイボールとからあげのセットが上手い!とブームになっていますが、アルコール+脂っこいものは肝臓にダブルで負荷をかけ胆汁不足に追い打ちをかける形になっています。
〇胆汁不足が起こる要因
①ストレス過多
→ストレスで交感神経が優位になると分泌がしにくくなります。
②胆石
→胆汁は胆管を通って十二指腸へ分泌されます。胆管に胆石が詰まっていると分泌が悪くなります。
③お酒+脂っこいものの摂りすぎ
→胆汁の消耗を増加させます。また肝臓の負担も増えるため胆汁の産生能力も低下します。
④新陳代謝の低下、貧血、過度なダイエット
→胆汁は赤血球の老廃物である、「ビリルビン」からつくられます。
=寿命を迎えた赤血球が脾臓で分解されない、貧血や過度なダイエットでそもそも赤血球が足りない状況だと、胆汁合成のための材料が不足してしまいます。
また、寿命を迎えた赤血球が分解されないまま、再度血液中に流れると血流が悪くなり、余計代謝の低下を招くことになります。
〇胆汁不足させないためにはどんな生活をこころがけるといいの?
①ストレス軽減
②食物繊維、大豆類、ナッツ類を一緒に食べる
③よく噛んで食べる
④極端なダイエットはしない
⑤アルコールの摂りすぎに注意する
⑥筋肉をつける、血流をよくする
などがあげられます。
胆汁分泌異常が起こる=食生活の乱れ、ストレス過多、内臓の不調がある
ということです。消化不良が続くと腸内環境が悪くなったり、食欲低下等で栄養不足、筋力、骨量の低下を招きかねません。
今一度食事内容を考え、病気の予防に努めましょう!